▶ Illustrator : Book Design[面付]

面付の知識

面付

用紙のサイズと取数→本文用紙の取数」で「四六判」の書籍は「四六全判」の用紙に表裏両面で「64ページ(片面32ページ」が印刷できると説明しました。この1枚の紙に数ページを割り付けることを「面付」といいます。

四六版取数

上の図で示したように、1ページの印刷可能スペースは、計算上「136×197mm」になります。しかし、実際の本文の仕上がり寸法は「133×180mm」ですので、上下に「9mm」の、左右に「6mm」の余分なスペースがあります。でも、この余分なスペースは、必要なスペースです。印刷するときに「ドブ」や「クワエ」のスペースが必要だからです。

ドブとクワエ

下の図をみてください。薄いグレーで示した「ドブ」は、外トンボと内トンボのあいだ「裁ち落とし領域」です。書籍は内トンボにそって断裁されます。
朱色で示した「クワエ」は、印刷時に用紙をグリッパ(クワエ爪でくえわえて印刷機のなかに送りこむために必要な余白で、ここには印刷できません。四辺のどこか一辺に10mmから12mm程度の「クワエ(くわえしろ」が必要です。

トンボとドブ

このページの最初に示した図「用紙:四六全判ヨコ目」では、わかりやすいように用紙を32分割したエリア「136×197mm」の中央に1ページを置きましたが、実際の面付は、エリアの中央に置くのではなく、各ページの外トンボと外トンボをくっつけるように面付します。折るだけで断裁しないところ(上の図の点線の部分)は隙間なく面付します。

【補足】 実際の面付はもっと複雑です。たとえば、上の図で外トンボ同士がくっついた中央の薄いグレーの十字の部分は、計算上「3mm+3mm=6mm」になります、でも、実際の面付けでは、紙厚や折数によってドブを6mm以上とる場合もあります。
折丁

「面付」は、下の図のように、折ったときにページ順になるように並べていきます。この「面付」した紙を一定の規則に従って折ったものを「折丁(おりちょう」といいます。
折りには、基本的に「4ページ折り」「8ページ折り」「12ページ折り」「16ページ折り」「32ページ折り」があります。書籍の場合は「16ページ折り」が一般的です。
この「何ページ折り」にするかによって、また「右開き=縦書き」か「左開き=横書き」かによって、面付のページ順も、ページの向きも、天の位置も違ってきます。

面付
丁合

上記の「折丁」をページがつながるように揃えることを「丁合(ちょうあい」といいます。
たとえば、240ページの本を16ページ折りにすると、折丁は「15折」できます。その15折をページがつながるように揃える作業が「丁合」です。

背丁

背丁 「折丁」の背には、書名や折数などを示す「背丁(せちょう、および「折」がページ順に正確に並んでいるかどうかを確認するための「背標(せひょう」が印刷されています。一般の読者は、本を解体しないかぎり、これらを見ることはありません。
「背標」は、折の順番に「黒い長方形」が斜めにならんでいて、落丁や乱丁があるとすぐにわかるようになっています。
この背丁や背標は、印刷所や製本所が必要とするものですから、出版社やデザイナーが指定する必要はありません。

【補足】 まったく余分な情報ですが、わたしたちは、若い頃、印刷オペレーターが「CMYK」の色をあわせるとき、トンボを基準にするのだろうと思っていました。でも、まったく違いました。色校正で印刷工場に行ったとき、カラーものの刷りだしをみたら「CMYK」のトンボがズレているのです。オペレーターは「ドット」を見ているのです。彼らの眼はすごいものです。
トンボに関しては、製本でも驚いたことがあります。あるデザイナーが書名の上部を数ミリ裁ち落とすデザイをしたのです。が、なんと製本所は、書名を裁ち落とさないで、きちんと読めるように断裁してきたのです。
いったいトンボってどういう役に立っているのでしょう?
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